東日本大震災被災地訪問 | 飛行機が好きな美濃焼エバンジェリストのBlog
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プロフィール

岐阜県出身。東京都在住。

ホンモノがホンモノとして伝わり続けるためのインフラを作りたいという思いを実現する事業を行いたいと考えている。(社名:リアルニーズ)

IT業界に身を置き、営業、SE、マーケティングを経験し、「技術のわかる営業」が自身の強みであり、プロジェクトマネジメントを強みとしている。
キャリアアンカーのタイプは幹事職人タイプ。

F1ファンでもあるので、いつかはF1GP全戦観戦を夢見ている。
また、飛行機がとっても好きで、ライセンスを取りたいと本気で思っている。

日本初の美濃焼エバンジェリストでもあり、岐阜県の地場産業である美濃焼を世界に広めるための活動も行っている。

ラム酒とシガーも大好き。


<お気に入りのキーワード>
JAZZ・F1・アメフト・飛行機・パイロット・コーヒー・焼酎・ラム酒・シガー・小曽根真・あぶない刑事・ドライブ・ツーリング・写真・人と話すこと・いろんな景色をみること・スキー

<好きな場所>
カフェ/川/ゲレンデ/空港/首都高/田舎/コックピット/BarLamp

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■撮れない風景3 〜リアルな声〜 (東日本大震災被災地を訪れて)  このエントリーを含むはてなブックマーク

さて、前回の最後に少し書いた「現地で出会ったおじいさん」からお聞きしたことを書いてみたいと思います。

お話をお伺いしたおじいさん。




----------------

車を降りて歩いていると、こんなものが目に入ってきました。



最初、なんの落書きなんだろう?と思っていたのですが、よく見ると、復興について現地の方が書いた力強いメッセージでした。

「前より半分でいいから、この場所に住み続けたい」「家族と一緒に住みたい」

そんなメッセージが書かれています。
前のブログで「黄色い旗」の意味について書きましたが、それを知った直後だっただけに、余計にこの黒板から、感じることが多くありました。


すぐ隣で、なにやら作業をしているおじいさんがいらっしゃったので「これ、撮ってもいいですか?」と声をかけ、撮影させていただいたわけですが、当初から「現地の方とお話をしてみたい」という思いがあったので、勇気を出して、おじいさんに話しかけてみました。

それが、冒頭の写真の方です。

果たして声をかけて良いのだろうか?
失礼なことを聞いてしまったらどうしよう?

と思ったのですが、結果としてお話を聞けて本当に良かったです。

失礼ながら、お名前をお聞きしなかったのですが、「だいよし丸」の船長さんということはお聞きしましたので、以後「船長さん」とお呼びしたいと思います。

船長さんは「運が良かったから生き残っている」とおっしゃっていましたが、船長さんは、震災当日も、この場所で漁の片付けと準備をされていたそうです。

あまりにも大きな地震だったこともあり、心配した娘さんが車ですぐに駆けつけようとしたらしいのですが、道路はどこも大混雑していて、なかなか船長さんの所にたどり着けなかったようです。

しかも、道路の混雑・渋滞は「緊急車両によるものだった」ということです。

あまりにも大きな地震だったために、救急車、消防車、警察、ガス会社などの車両が一斉に動き出したことも原因だったのかもしれないとのこと。

また、現地の方も「津波がくる!」ということで、一斉に車で高台や遠方に逃げようとしたため、緊急車両を優先していた一般車は、半ば立ち往生してしまい、道路という道路が車でいっぱいだったそうです。


それでも、船長さんの娘さんは、携帯電話で色々な方と連絡をしながら、少しでも空いている道を選んで船長さんのもとにかけつけられたそうです。

「娘が道路の事情を理解していなければ、きっと二人とも津波にのまれて死んでいたかもしれない」

と船長さんはおっしゃっていましたが、それが生死の境になったことは事実のようで、

「ほら、向こうを見て。あの道路を左に行った人の多くはみんな津波に巻き込まれた。俺たちは右に行ったんだ。右に行った人の多くは助かった」

と、衝撃の事実をお話されました。

左に行くか、右に行くか。

その一瞬の判断と、その時持っていた情報の差で生死がわかれてしまうなんて、なんともやりきれない気持ちです。
でも、それが現実だったんだなと思うと、震災に対する備え、今後の人生観など、今の自分に大きな影響を与えていただいたお話でした。


また、津波の水がひいたあとは「盗難」被害が相次いだといいます。

漁の道具などを保管しておいた小屋は流されてしまい、津波で道具もバラバラになってしまったそうですが、近所の方の協力もあって、ある程度、漁の道具が船長さんの手元に戻ってきたそうです。

戻ってきた道具は、小屋がないので、野ざらしにして置いておくことになるのですが、
「昨日せっかく引き取ることができた漁の道具が、今日来てみたらなくなっていた」ということが、頻繁に起こったようです。



船長さんは、「これではせっかくの道具がなくなってしまう」ということで、自力で小屋を建てて、そこに道具を保管されていましたが、小屋ができあがるまでの間は、盗難被害にあうことが、とても辛かったとおっしゃっていました。

生死をわけた話、盗難の話など、実際にそれを体験されている方から直接お話を聞けたことは、自分にとって、大きな財産となりました。

いろいろと聞かれたくないこと、話したくないこともある中で、丁寧にお話をしてくださった船長さんに感謝です。


船長さんの船は、近くの方のご協力により、手元に戻ってきたようで、今現在も「だいよし丸」として、主に赤貝の漁に出られているとのことでした。

しかし、今、こうして船長さんのように、漁に出られる環境にある方は、かなり少数だそうです。


ちなみに、船長さんも、避難所に身を寄せていらっしゃるとの事でした。

そして、途中の黒板の写真ですが、船長さんの娘さんが書かれたそうです。




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美濃焼エバンジェリスト  at 16:17

■撮れない風景 〜黄色の旗〜(東日本大震災被災地を訪れて)  このエントリーを含むはてなブックマーク

東日本大震災から14ヶ月目に入っているが、やはり現場でしか感じられないことは山ほどあった。
現地に行くと、空気感や時間の流れを肌で感じることができる。

当たり前の話だが、それを本当に理解している人はまだまだ少ないのかもしれない。

テレビの映像や写真をみて、「わかった気になっている」
これが一番怖いことだなと思った。

この写真。

東日本大震災

多分現地の方や現地を詳しく知る方は何を表現しているかよくわかっていただけると思います。

この、黄色の旗。

「私はここに住み続けたい」という意思表示だそうです。

現地のおじいさんに「あの黄色の旗はなんですか?」と伺って、初めて知りました。

今、被災地では、今後、自分たちが住むところがどうなるのか?
それすら決まらない状況が続いているといいます。

行政の思惑、今までそこに住んでいた方の思い。

東日本大震災


それだけでなく、現実問題として、水面下では「お金」の問題も発生しているようです。

たった数メートル離れているだけで、土地の買い取り価格が10倍にもなるような場所もあると聞き、
そういう調整がうまくいかず、行政と住民とが裁判になりかけていたり、裁判をしていたりするそうです。

どうしても最大公約数的にならざるをえないかもしれませんが、やはりそこに住んでいる方にとっては、納得いかない気持ちも、よく伝わってきました。


さて、今回は少し短い内容となりましたが、次回は、先ほどお話しをしてくださったおじいさんから聞いた、
被災当時のリアルな話を書き記したいと思います。





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美濃焼エバンジェリスト  at 19:20

■撮れない風景 〜序章〜(東日本大震災被災地を訪れて)  このエントリーを含むはてなブックマーク


東日本大震災,荒浜
※スマホからのアクセスの場合、タイトル部分をクリックすると写真が表示されるようになります。

技術も経験も、まだまだ未熟だけど、僕は写真を撮ることが大好きだし、これからも撮り続けたいと思っている。

震災から約13ヶ月が経過した現地に、初めて足を運ぶことにした時、その目的は「現地の今を写真に撮る」ということだった。


でも、今回、現地に入った瞬間「撮れない」と思った。

正確には、「撮れないと思った」のではなく、本当に撮れなかった。

実は、何度か復興支援活動を一緒にした石巻出身の方から、
宮城に行く前にこんな内容をメールでいただいていた。

-------------------------------
石巻は被害の少ない地域と、被害の大きかった地域との格差は歴然としてまして、更地になり整然としているところには、いとなみがありました。
どうか現状を見て頂いたことを被災地の外で伝えて下さい。
-------------------------------


当初は、僕が人に何かを伝えるなんて、少し違う気がしていた。
それに「被災地の外で伝える」という意味が、正直、少しだけわからなかった。

でもやっぱり、このタイミングで宮城県沿岸部を訪問したという事実を、このブログに、しっかりと残しておきたいと思ったし、何より「外で伝える」ことの意味が、今ではよくわかります。

だから、自分なりに感じたこと、気持ちの整理がつかなかったこと、見てきたこと、そんなことを、何回かにわけて、ここに書いていきたいと思います。

もしかしたら、気分を害する表現があるかもしれません。
つたない写真と文章なので、誤解をされるかもしれません。

そんな時は、どうか率直に指摘していただきたいと思います。

それでは早速、被災地に足を踏み入れた瞬間について、まずは書いてみたいと思います。


-------------------------



仙台駅から車で、滞在先である多賀城市まで向かう間に、荒浜地区というところがある。
仙台駅からだと、ちょうど車で30分ぐらい走ったぐらいの距離にある。

仙台駅を出発した当初は、普通の街だった。

お店も元気に営業しているし、車もたくさん走っていた。
ホテルもたくさん営業していたし、地下鉄の拡張工事もしていた。

仙台駅東口には、ヨドバシカメラも堂々と新店オープンしていた日だった。


だから、これから目にする風景を、その時は想像すらできなかった。

頭の片隅に、テレビで観た映像が残ってはいたけど、この時点では、「やっぱり復興はかなり進んでいるのかな?」とすら思っていた。

車を沿岸部に進めていったその時、
まず最初に目に飛び込んできたのは、理屈では想像できないような壊れ方をしているガソリンスタンドだった。

東日本大震災,荒浜


その瞬間、自分が何を言葉にしたのかは覚えていない。

ただ一言「マジで・・・」と力なく発しただけだったように思う。

車を停めて、ガソリンスタンドのすぐ隣まで歩いてみた。
信じられなかった。





ガソリンスタンドのすぐ前には、多分コンビニだったと思われる建物が、鉄骨だけの姿で残っていた。

そのもっと奥には、基礎だけ残っている、工事現場のような光景が広がっていた。

幹線道路は、復興支援の車両や、がれき処理のトラックがひっきりなしに走っていた。

次々に目に飛び込んでくる風景をみて、「絶句」だった。




絶句。その言葉の通り、言葉がない。

どんな言葉で表現しても、現地で震災を経験していない自分には、
絶対に表現しきれない光景だった。


だから撮ろうと思った。撮るしかないと思った。

深呼吸を1回して、カメラをその風景に向けてみた。
でも撮れなかった。
シャッターを押せなかった。


撮ることが大好きで、シャッターを押すのがいつも楽しみな自分が、本当にシャッターを押せなかった。

それでもやっとの思いで撮ってみた。


撮った写真を、液晶モニタで確認してみた。

たしかに写っている。記録はできた。

でも、写っているだけ。




レンズの焦点距離とか、カメラの性能とか、発色とか、そういう次元の話じゃない。

たしかに写ってはいる。


だけど、自分が感じているそのままを撮れなかった。

写真は、その場の空気感までも写すと信じていたけど、今の自分にはそれは無理だなと思った。
現場の空気に完全に飲み込まれていた。



それぐらい、想像を超えた光景を、この3日間ずっと見続けることになる。





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美濃焼エバンジェリスト  at 21:36

■言葉を失う  このエントリーを含むはてなブックマーク

東日本大震災から1年と少し経過。

そしてブログの更新も久しぶり。

そんな中、宮城県を一人訪れています。

言葉にならない景色がたくさんありました。

この瞬間、今の自分には写真をアップする以外に、言葉にすることはできません。

宮城県,荒浜


宮城県,荒浜





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美濃焼エバンジェリスト  at 22:51